高校でeスポーツ部を作りたいと考えたとき、多くの生徒や先生が最初につまずくのは、ゲームが好きな仲間を集めることではなく、学校に教育活動として認めてもらうための説明づくりです。
部活動として成立させるには、顧問、活動場所、機材、ネット環境、活動時間、保護者への説明、校内規程への適合などを一つずつ整える必要があります。
近年はNASEF JAPANの加盟校が2026年5月1日時点で672校と公表されるなど、教育現場でeスポーツを扱う動きは広がっていますが、学校ごとに承認の流れや予算の考え方は大きく異なります。
この記事では、勢いだけで「ゲーム部」を申請するのではなく、学習、協働、情報リテラシー、進路探究を含む活動として高校のeスポーツ部を立ち上げるための現実的な手順を整理します。
高校でのeスポーツ部の作り方

高校でeスポーツ部を作る結論は、先に「何をする部活か」を明確にし、次に学校側が不安に感じる点を先回りして潰し、最後に小さな仮活動から正式な部活動へ育てることです。
ゲームをする時間だけを前面に出すと、学業への影響、長時間利用、課金、暴言、機材管理、ネットワーク負荷などの懸念が一気に出やすくなります。
一方で、活動目的をチームワーク、戦術分析、動画編集、実況、イベント運営、地域交流まで広げて説明できれば、単なる娯楽ではなく学校教育の中に置く理由を示しやすくなります。
校内規程を確認する
最初にやるべきことは、部活動や同好会を新設するときの校内規程を確認し、必要な人数、顧問の条件、申請時期、承認機関、予算申請の可否を把握することです。
学校によっては最初から正式な部として認められず、同好会、研究会、委員会活動、パソコン部内の分科会などの形で一定期間の活動実績を求められる場合があります。
ここを飛ばして企画書だけを作ると、申請先や締切を間違え、せっかく集めた仲間の熱意が次年度まで保留になることがあります。
生徒だけで規程を探せない場合は、担任、情報科の先生、生徒会担当、部活動担当の先生に「新しい活動を提案したいので手続きだけ知りたい」と相談すると話を進めやすくなります。
大切なのは、最初から承認を迫るのではなく、学校の手続きに沿って進める姿勢を示し、先生側が管理しやすい活動として受け取れる入口を作ることです。
発起人を集める
eスポーツ部を作るには、発起人となる生徒を最低限の人数だけ集めるのではなく、継続して運営できる役割の分担まで考えて仲間を集める必要があります。
強いプレイヤーだけで固めると競技面は進みますが、申請書を書く人、練習日程を調整する人、配信や広報を担当する人、機材を管理する人がいないと部活動として安定しません。
高校の部活動は学年交代が早いため、1年生と2年生を早い段階で巻き込み、3年生だけで立ち上げて卒業と同時に止まる形を避けることが重要です。
募集するときは「上手い人だけ歓迎」と見せるより、初心者、分析担当、動画編集担当、実況担当、イベント運営担当も参加できる活動だと伝えたほうが、校内の理解も広がります。
部員候補の名簿には、希望タイトル、使用できる曜日、家庭でのプレイ環境、保護者への説明状況を簡単に添えておくと、後の活動計画と顧問相談が具体的になります。
顧問候補を探す
顧問候補を探すときは、ゲームに詳しい先生だけを探すのではなく、生徒の自主活動を見守り、校内調整や安全管理に協力してくれる先生を探すことが現実的です。
情報科、数学科、総合探究、生徒会、放送、パソコン、国際交流などと相性がよい場合がありますが、先生の専門よりも活動目的と運営ルールを丁寧に説明することが大切です。
先生は「詳しくないから無理」と感じることがあるため、練習メニュー、試合ルール、トラブル時の連絡先、活動記録の残し方を生徒側で用意すると負担感を下げられます。
また、文部科学省が部活動改革の文脈で教員負担の軽減を示しているように、休日活動や大会対応を顧問任せにしない設計も欠かせません。
顧問候補に相談するときは、いきなり正式な顧問就任をお願いするより、企画書を見てもらう、体験会に同席してもらう、同好会期間だけ助言してもらうという段階を作ると承諾を得やすくなります。
教育目的を言語化する
学校に認められるeスポーツ部は、ゲームプレイそのものではなく、プレイを通じてどんな力を育てるのかを言語化できている活動です。
NASEF JAPANはeスポーツを通じた若者の成長やデジタル人材育成を掲げ、部活動マニュアルも提供しているため、教育的な説明を組み立てる参考になります。
- チーム内の対話力
- 戦術を考える分析力
- 情報モラルの実践
- 動画や配信の表現力
- 大会運営への理解
- 進路探究のきっかけ
このように目的を複数の力に分けると、保護者や先生から見ても活動の価値が見えやすくなり、単に勝敗だけを追う部ではないと伝えられます。
ただし、教育目的を大きく書きすぎると実態とずれるため、初年度は「週2回の練習記録を残す」「月1回の振り返りを行う」など、実行できる目標に落とし込むことが重要です。
競技タイトルを選ぶ
競技タイトルは、生徒の人気だけで決めるのではなく、年齢区分、必要機材、校内ネットワーク、チーム人数、大会の有無、暴言対策のしやすさを合わせて選ぶ必要があります。
CEROの年齢区分はゲームソフトに含まれる表現内容の対象年齢を示す制度であり、部活動で扱うタイトルを説明する際の重要な材料になります。
| 確認項目 | 見る理由 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 年齢区分 | 保護者説明 | 高校生に適合 |
| 必要人数 | 部員編成 | 欠席時も対応 |
| 端末条件 | 予算管理 | 既存機材を活用 |
| 通信負荷 | 校内調整 | 安定接続が可能 |
| 大会要項 | 目標設定 | 学校名で参加可能 |
特定タイトルの実力者が多い場合でも、学校で扱う以上はルールブック、利用規約、年齢区分、チャット機能、課金要素を確認し、顧問が説明できる状態にしておく必要があります。
最初の一年はタイトルを増やしすぎず、部の目的に合う主活動と、初心者が入りやすい交流活動を分けて考えると、競技志向と居場所づくりの両立がしやすくなります。
予算を小さく見積もる
eスポーツ部の申請で止まりやすい理由は、高性能なゲーミングPCを複数台そろえる前提で話を始めてしまい、学校側が費用と管理の重さに身構えることです。
初年度は理想環境を一気にそろえるより、既存のPC室、家庭用機、持ち込み不可の範囲、学校所有のモニター、放送室の機材などを確認し、最低限の活動から始めるほうが通りやすくなります。
予算案は本体価格だけでなく、モニター、ヘッドセット、LANケーブル、延長タップ、椅子、保管棚、セキュリティワイヤー、故障時の対応費まで含める必要があります。
学校の備品として購入する場合は、個人アカウント、課金情報、外部ソフトのインストール権限、アップデート管理も問題になるため、情報担当の先生や事務室との相談が欠かせません。
まずは「今年度は練習と校内体験会まで」「大会参加は既存端末で可能なタイトルから」といった段階案を出すと、部を作る話が大きな投資案件になりにくくなります。
申請書を提出する
申請書には、部名、目的、顧問候補、発起人名簿、活動日、活動場所、使用機材、年間計画、ルール、想定大会、保護者説明の方法を具体的に入れます。
「全国大会を目指す」だけでは学校側の判断材料が足りないため、普段の練習で何を学び、どのように振り返り、どのように安全を守るのかを文章にすることが重要です。
部活動の分類は学校によって異なり、文化部、情報系部活動、同好会、探究活動の一部など扱いが分かれるため、申請書では校内の既存制度に合わせた言葉を使います。
反対意見が出たときに備えて、学業優先、定期考査前の活動停止、課金禁止、無断録画禁止、暴言への対応、活動時間の上限をあらかじめ規約として添えておくと説得力が増します。
提出後は一度で通らない前提で、先生からの修正点を記録し、部員候補に共有し、活動目的を削らずに学校が管理しやすい形へ直す姿勢を見せることが大切です。
体験会を開く
正式承認の前後に体験会を開くと、校内に活動の雰囲気を見せられ、保護者や先生が抱きやすい「閉じたゲーム空間」という印象を和らげられます。
体験会では勝敗を競うだけでなく、チームで作戦を立てる時間、リプレイを見て改善点を話す時間、実況や進行を担当する時間を入れると、教育的な活動として見えやすくなります。
初心者に強いプレイヤーが一方的に勝つ形式にすると参加しにくいため、ルール説明、ミニゲーム、観戦解説、役割体験を混ぜて、プレイ経験の差があっても参加できる設計にします。
体験会の案内文には、使用タイトル、対象学年、持ち物、活動時間、撮影の有無、保護者見学の可否を書き、トラブルの芽を事前に減らします。
実施後は参加人数、感想、改善点、先生からの指摘を記録し、申請書や年間計画の修正に反映させると、活動を感覚ではなく運営として進めていることを示せます。
仮活動から正式化する
最初から完璧な部活動を目指すより、1学期は仮活動、夏までに体験会、秋に校内発表、冬に大会または交流戦というように、実績を積みながら正式化する流れが現実的です。
仮活動期間には、出欠管理、機材の貸出記録、活動日誌、振り返りシート、ルール違反時の対応を試し、机上の規約が実際に機能するかを確かめます。
この段階で部員が減ったとしても失敗ではなく、競技志向の生徒、制作志向の生徒、居場所として参加したい生徒の違いが見えて、部の設計を直す材料になります。
正式化の提案では、勝利実績よりも、安全に活動できたこと、学業と両立できたこと、部員が役割を持てたこと、校内外に良い影響があったことを示すほうが学校には伝わります。
承認後も年度ごとに顧問、部長、会計、機材担当、広報担当を引き継ぐ仕組みを作り、立ち上げた生徒が卒業しても活動が止まらない形に育てます。
学校に認められる企画書の整え方

eスポーツ部の企画書は、夢や熱意を伝える書類であると同時に、学校が承認しても安全に運営できるかを判断するための管理資料でもあります。
そのため、うまくなる方法や大会への意気込みだけではなく、活動目的、教育効果、活動範囲、禁止事項、費用、保護者対応、顧問負担の軽減策を具体的に書く必要があります。
特に高校では、生徒の自主性を尊重しながらも、学校名で活動する以上、外部大会、SNS発信、配信、個人情報、肖像、課金、オンライン上の発言まで学校の信頼に関わります。
反対意見を先回りする
企画書で最も大切なのは、反対する人を説得する文章ではなく、反対意見が出る理由を理解し、それに対する運営上の答えを先に示すことです。
保護者や先生が不安に感じるのは、ゲームそのものだけではなく、長時間化、学業低下、夜型生活、暴言、課金、知らない相手との接触、機材破損、顧問負担の増加です。
- 活動時間の上限を決める
- 定期考査前は活動を止める
- 校内アカウントを分ける
- 課金を活動外にする
- 暴言を記録して指導する
- 外部交流は顧問確認にする
このような対策を並べるだけでなく、誰が確認し、どこに記録し、違反時にどんな段階で指導するのかまで書くと、運営できる企画として見られやすくなります。
「安全にやります」という抽象表現よりも、「活動終了時に機材担当が台数を確認する」といった行動レベルの表現のほうが、学校の不安を下げる力があります。
年間計画を示す
企画書には年間計画を入れ、毎月の活動が練習だけで埋まらないように、学習、交流、発表、振り返りを組み合わせます。
年間計画があると、顧問や管理職は活動の見通しを持ちやすく、予算や教室利用、行事との重なりも判断しやすくなります。
| 時期 | 主な活動 | ねらい |
|---|---|---|
| 4月 | 説明会 | 部員募集 |
| 5月 | 基礎練習 | ルール定着 |
| 6月 | 校内戦 | 役割確認 |
| 夏休み | 交流戦 | 実戦経験 |
| 秋 | 文化祭発表 | 理解促進 |
| 冬 | 活動報告 | 次年度準備 |
大会に出る場合は、年度ごとに要項が変わるため、NASEF JAPAN全日本高校eスポーツ選手権やSTAGE:0公式サイトなどで参加資格と日程を確認してから計画に入れます。
計画表には余白も必要で、機材の不具合、学校行事、テスト期間、感染症対応、部員の進路活動などで予定が変わることを想定しておくと、無理のない運営になります。
保護者説明を用意する
保護者説明では、部活動の目的だけでなく、家庭でのゲーム時間とは別管理であること、学校内では活動時間とルールを守ることをはっきり伝えます。
家庭によってゲームへの考え方は異なるため、部活動に参加することで家での制限がなくなるわけではなく、家庭の方針を尊重するという姿勢が重要です。
説明資料には、活動日、終了時刻、帰宅方法、使用タイトル、年齢区分、オンライン交流の範囲、撮影や配信の扱い、緊急連絡、費用負担の有無を入れます。
保護者が最も知りたいのは「学校がどこまで見てくれるのか」と「家庭がどこまで責任を持つのか」なので、学校管理内の活動と家庭内プレイを分けて説明すると誤解が減ります。
大会参加時は、主催者によって保護者同意や顧問または保護者登録が求められる場合があるため、エントリー前に要項を共有し、同意の取り方を部内で統一します。
機材とネット環境を無理なく用意する考え方

eスポーツ部の作り方で予算は大きな壁ですが、最初から大会配信までできる専用ルームを作る必要はありません。
むしろ初年度は、既存環境でできる活動を見つけ、必要な機材を段階的に増やし、管理と更新の仕組みを先に作るほうが失敗しにくくなります。
学校の備品は個人の持ち物とは違い、購入後の保管、利用記録、故障対応、ソフト更新、ネットワーク権限、セキュリティまで含めて考える必要があります。
初期費用を段階化する
予算案は「最低限」「標準」「将来」の三段階に分けると、学校側が判断しやすくなります。
いきなり高額なPCを人数分そろえる提案ではなく、最初は既存端末と周辺機器、次に練習用端末、最後に配信や大会対応の環境という順に示します。
| 段階 | 用意する物 | 目的 |
|---|---|---|
| 最低限 | 既存PC | 体験活動 |
| 標準 | 端末数台 | 定期練習 |
| 発展 | 配信機材 | 校内発表 |
| 更新 | 予備部品 | 故障対策 |
段階化すると、予算が通らない場合でも活動そのものを止めず、できる範囲で実績を作ってから次の申請につなげられます。
また、寄付や企業支援を検討する場合でも、学校の会計規程、利益相反、広告表示、個人情報の扱いを確認し、顧問や管理職だけで判断しないことが大切です。
ネットワークを分けて考える
ネット環境は、通信速度だけでなく、学校のセキュリティ方針、フィルタリング、同時接続台数、アップデート容量、ボイスチャットの扱いまで確認する必要があります。
授業用ネットワークに競技タイトルの通信を載せると、授業や校務に影響する可能性があるため、情報担当の先生や管理業者への事前相談が欠かせません。
- 授業用回線
- 部活動用回線
- 大会用臨時回線
- アップデート用時間帯
- 配信用の制限
このように用途を分けて考えると、普段の練習は軽く、大会前だけ条件を整えるなど、学校全体に負荷をかけない運用を設計できます。
ボイスチャットや外部ツールを使う場合は、指定ツールの利用可否、録音の扱い、アカウント名のルール、不適切発言への対応を事前に決めておく必要があります。
管理と更新を決める
機材は買って終わりではなく、誰が鍵を管理し、誰が起動確認をし、誰がソフト更新を行い、故障したときにどこへ報告するのかを決める必要があります。
部員が自由に触れる環境にすると、設定変更、個人アカウントの残存、無断インストール、紛失、飲食による破損などが起きやすくなります。
学校備品として扱う機材には、番号シール、使用記録、貸出表、保管場所、清掃手順を用意し、活動の最後に機材担当と顧問が確認する流れを作ります。
ゲームタイトルはアップデートが頻繁にあり、大会直前に更新が終わらず参加できないこともあるため、活動計画にアップデート日を入れておくと安心です。
更新や修理の責任を一人に寄せると負担が大きくなるため、部内に機材係を置き、手順書を作り、卒業時にアカウントやパスワードの扱いを整理します。
活動ルールと安全管理を設計する視点

eスポーツ部はオンラインで人とつながる活動だからこそ、校内の通常の部活動よりも言葉遣い、個人情報、録画、配信、外部交流のルールが重要になります。
強くなるための練習量だけを増やすと、疲労、睡眠不足、学業低下、対人トラブルが起きやすくなり、せっかく認められた活動が続かなくなる可能性があります。
安全管理は活動を縛るためのものではなく、部員、顧問、保護者、学校が安心して活動を応援できるようにするための土台です。
活動時間を制限する
活動時間は、部員の熱意に任せるのではなく、学校の部活動方針や文部科学省が示す部活動ガイドラインの考え方を参考に、あらかじめ上限を決めます。
文部科学省の情報では、学期中は週2日以上の休養日、平日2時間程度、休日3時間程度という目安が示されており、文化部活動にも同様の考え方が示されています。
| 場面 | 運用例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 平日 | 2時間以内 | 下校時刻厳守 |
| 休日 | 3時間程度 | 大会時は代休 |
| 考査前 | 活動停止 | 学習優先 |
| 長期休業 | 日程限定 | 連続活動を避ける |
eスポーツは座って行う活動ですが、集中力、目、首、肩、手首、睡眠への影響があるため、運動部と同じように休養と活動量の管理が必要です。
大会前でも練習時間を無制限に増やすのではなく、リプレイ分析、作戦会議、短時間の集中練習を組み合わせ、効率的な活動にするほうが学校の理解を得やすくなります。
健康面を日常化する
健康管理は特別な講習だけで済ませず、毎回の活動に短いルーティンとして組み込むと定着しやすくなります。
ゲーム画面に集中すると姿勢が崩れ、まばたきが減り、休憩を忘れやすいため、部として休憩タイミングを決めておくことが大切です。
- 開始前の体調確認
- 活動中の休憩
- 水分補給
- 姿勢の確認
- 手首の違和感確認
- 終了後の振り返り
健康面のルールは細かすぎると形だけになりますが、出欠確認と同時に体調を聞く、連続プレイ時間を区切る、休憩中は画面から離れるなどの行動にすると続きます。
家庭での夜間プレイまでは学校が直接管理できないため、部活動としては睡眠、学習、家庭ルールを尊重する姿勢を伝え、保護者と対立しない運営を心がけます。
トラブル対応を記録する
オンライン対戦では、暴言、あおり、相手チームとの誤解、アカウント名の不適切表現、SNSでの投稿、無断録画などのトラブルが起こる可能性があります。
問題が起きたときにその場の感情で対応すると、部員同士の関係が悪化したり、学校外に誤った情報が広がったりするため、記録と報告の流れを決めておきます。
部内規約には、違反を見つけた人が部長または顧問へ報告し、必要に応じてスクリーンショットや日時を記録し、外部への個人攻撃をしないことを明記します。
ただし、記録を取ることと晒すことは別であり、トラブル対応の目的は相手を罰することではなく、再発を防ぎ、部として安全に活動を続けることです。
外部大会や練習試合では主催者のルールが優先されるため、部内ルールと大会規約の両方を読み、迷ったときは顧問を通じて主催者へ確認する姿勢が必要です。
大会参加と校内外への広げ方

eスポーツ部を続けるには、普段の練習だけでなく、成果を見せる場や校外とつながる機会を作ることが大切です。
ただし、大会参加は楽しい反面、参加資格、保護者同意、学校名の公表、配信、肖像、遠征、通信環境など、普段の活動より確認項目が増えます。
初年度は全国優勝だけを目標にするより、校内発表、近隣校との交流戦、文化祭企画、活動報告を組み合わせ、学校全体から応援される部に育てるほうが安定します。
目標大会を決める
高校生向けのeスポーツ大会には、全国規模の大会やタイトル別の大会があり、年度によって競技タイトル、日程、参加資格が変わります。
NASEF JAPAN全日本高校eスポーツ選手権では、同じ学校に在籍するメンバーでの参加や20歳以上の監督者の同意などが参加条件として示されています。
| 確認項目 | 必要な理由 | 準備する物 |
|---|---|---|
| 参加資格 | 出場可否 | 在籍確認 |
| 保護者同意 | 安全管理 | 同意書 |
| 監督者登録 | 大会連絡 | 顧問情報 |
| 使用機材 | 公平性 | 端末確認 |
| 配信有無 | 肖像管理 | 同意確認 |
STAGE:0のように部活動所属が必須でない大会もありますが、学校名が公表される場合や顧問または保護者登録が必要な場合があるため、部として参加するなら学校への事前共有が欠かせません。
大会を目標にすると練習の方向性は明確になりますが、要項確認、メンバー変更、欠席対応、配信ルール、SNS発信まで含めて準備しないと、直前で慌てることになります。
部活動以外の役割も置く
eスポーツ部はプレイヤーだけの集まりにすると、試合に出られない生徒が居場所を失いやすく、実力差による不満も生まれやすくなります。
部活動として長く続けるには、選手以外の役割を正式に置き、それぞれが活動の成果を出せる設計にすることが大切です。
- 戦術分析
- 動画編集
- 実況解説
- 配信補助
- 広報制作
- イベント進行
- 機材管理
役割を分けると、初心者や競技参加を迷う生徒も関わりやすくなり、文化祭、学校説明会、探究発表、地域イベントにも活動を広げやすくなります。
進路面でも、ゲームが強いことだけでなく、企画、制作、情報管理、コミュニケーション、発表経験を語れるようになるため、部活動としての価値が伝わりやすくなります。
校内発信を味方にする
eスポーツ部は活動内容が見えにくいと誤解されやすいため、校内発信を定期的に行い、何を学び、どのように成長しているのかを外から見える形にします。
発信は派手な配信だけでなく、活動報告ポスター、校内掲示、学校ブログ、文化祭展示、オープンスクール体験、先生向け説明会など、学校の雰囲気に合う形で十分です。
発信するときは、勝った負けたの結果だけでなく、練習で改善したこと、部員が担当した役割、トラブルを避けるためのルール、保護者への配慮も伝えると信頼につながります。
写真や動画を使う場合は、本人と保護者の同意、学校の広報規程、ゲーム会社のガイドライン、大会主催者のルールを確認し、勢いでSNSへ投稿しないことが重要です。
校内の理解が広がると、次年度の部員募集、予算申請、活動場所の確保、他部活動との連携が進みやすくなり、eスポーツ部が学校の新しい学びの場として定着しやすくなります。
eスポーツ部を続く活動に育てる要点
高校でeスポーツ部を作るには、顧問を見つけて申請書を出すだけでなく、教育目的、校内規程、活動時間、機材管理、ネットワーク、保護者説明、大会参加の条件を一つずつ整える必要があります。
最初から大きな予算や専用ルームを求めるより、同好会や仮活動から始め、活動記録、体験会、校内発信、振り返りを積み重ねるほうが、学校にとって認めやすい形になります。
また、プレイヤーだけでなく、分析、広報、実況、動画編集、イベント運営、機材管理の役割を作ることで、初心者も参加できる部になり、競技成績以外の教育的な価値も示しやすくなります。
eスポーツ部はゲームを自由に遊ぶ場所ではなく、ルールの中で仲間と学び、考え、発信し、学校生活の中で責任を持って活動する場として設計できたときに、先生や保護者から応援される部活動になります。



